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- シマ桑ストーリー
鹿児島市から南へ約552㎞、沖縄本島から北へ約60㎞に位置する沖永良部島。
年間平均気温22℃という温暖な気候に恵まれ、100年以上の歴史を持つエラブユリ(テッポウユリ)のほか、
ミネラルを豊富に含んだ土壌で育てられるサトウキビやジャガイモの栽培が盛んです。
また、隆起サンゴ礁でできた島の地底には大小200以上もの鍾乳洞が広がり、
『花と鍾乳洞の島』とも呼ばれています。
そんな沖永良部島の気候を語る上で欠かせないのが、毎年秋に襲来する大型台風です。
強い勢力を保ったまま上陸することもあり、対策をしてもなお、
農作物や人々の暮らしに甚大な被害を与えることがあります。
しかしその一方で、台風による潮風はミネラル豊かな土壌をつくり、
島の植物は過酷な気象条件にも負けない強さを宿していきます。
琉球列島から台湾にかけて自生する品種の桑「シマ桑」もその一つです。
台風後も島の木々の中で一番に芽吹くほど生命力にあふれ、冬場でも青々と葉を付けるのが特徴です。
沖永良部島では古くは養蚕用の飼料樹として栽培もされていましたが、
近年その栄養価の高さに注目が集まるようになり、知名町で健康食材としてのシマ桑の栽培が始まりました。
2012年6月から本格的に始まった知名町でのシマ桑栽培。
2013年2月には知名町シマ桑生産組合が設立され、現在6人の組合員が互いに情報共有しながら安定的な生産に向け取り組んでいます。
知名町のシマ桑は化学肥料や農薬等を使用しない「有機栽培」です。
さらに、「周囲から農薬が飛散しない」ことも栽培条件となるため、近辺に農薬を使用する畑がないことや、土手や森林に囲まれたすり鉢状になっていることが畑(ほ場)の選定基準でもあります。
「手に取るすべての人の健康と長寿を願い、含有する成分を損なわずに安心安全なシマ桑を作りたい」
との想いから、知名町シマ桑生産組合ではあえて厳しい栽培基準を設け、より手間のかかる栽培方法を実践しています。
組合を立ち上げた当初(当時は副組合長)は手探り状態でしたが、現在はそれぞれの生産者が基準を遵守しながら独自の栽培方法を確立し、安定した生産ができるようになっています。
除草も害虫の除去もすべて手作業ですから高齢の生産者にはハードな作業となり後継者問題も無視できませんが、皆、収穫の喜びとお客様の笑顔のために、コツコツと努力を続けています。
私自身ももちろん、健康維持のために欠かさずシマ桑を飲んでいます。
シマ桑は特に夏場の生育が良く、青々としたおいしそうな葉を付けます。朝から夕方まで作業して、1日に約100㎏収穫できたときはうれしかったですね。
ジャガイモやサトウキビと比較してもシマ桑は除草などの手入れに手間暇がかかりますが、その分喜びもひとしおです。
シマ桑には血糖値を下げる、便秘になりにくい、といった効果があるので、島外の親戚に送ってあげると「飲むと体調がいい」と言ってくれるのもうれしいです。
私の畑は山霧が出るため、葉に黄色い斑点ができる病気にかかることがあり、頭を悩ませています。
また、化学肥料を使わず堆肥のみを使用するのですが、その撒き方にもコツがあり有機栽培の難しさに直面することもしばしば。
しかし、苦労の甲斐あって前年より収穫量が増えると大きな喜びになりますし、収穫したシマ桑茶を島外の兄弟や親戚に送ると大変喜んでくれるので、やりがいにつながっています。
収穫されたシマ桑の生葉は、その日のうちに知名町内にある「えらぶ特産品加工場」に搬入されます。
2013年に完成したこちらの施設では、原料の受け入れから加工、保管に至るまで、全工程に対して徹底した衛生管理体制を維持。
また、乾燥と粉砕を同時に行う高性能気流乾燥機の導入により処理工程が格段に短くなり、色鮮やかで風味がよく、含有成分の減少が少ない高品質な粉末の製造を可能にしています。
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生産農家から搬入されたシマ桑の重量計測を行ったら、洗浄機で入念に水洗いし汚れを落とします。
収穫量が多い時期は生葉を新鮮な状態に保つため、庫内温度約9度に管理された原料保管庫で一時的に保管します。 -
洗浄した生葉を専用のフードカッターで1㎝角に裁断し、脱水機にかけ水分を飛ばします。機械は常に清潔に保たれ、衛生管理は万全です。 -
1時間に25㎏のペースで処理できる乾燥粉砕機に投入。これにより、栄養成分を壊さずになめらかな口あたりを実現する約20ミクロンの粉末に加工することができます。 -
シマ桑の持つ優れた栄養価を損なわないよう最後まで細心の注意を払います。製品の色や成分を守るため、遮光性と密封性の高いパッケージに封入し、出荷します。
シマ桑の生産地である知名町では、町の飲食店やホテル、学校給食でもシマ桑を利用したメニューが提供され、町の人たちの“元気の源”になっています。
お菓子や料理に加えたり、ドリンクとしてそのまま飲んだり、フードロスを意外なものに活用したり!?シマ桑の魅力を発見しに、ぜひ知名町に遊びに来てくださいね。
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シマ桑100%粉末は発色や風味が良いので、クッキーやマドレーヌ、スコーンなどの生地に混ぜ込んで焼いています。
ドリンクとして飲むのは苦手でも、お菓子やパンだと食べやすいとおっしゃってくださるお客様もいます。 -
シマ桑を練り込んだそうめんを、冬場は温かい麺(島カマボコ入り)、夏場は冷やし麺でご提供しています。桑のさわやかな風味が口の中に広がり、喉ごしもよく、するすると食べられますよ。
シマ桑入りのアイスクリームも人気です! -
シマ桑100%粉末をたっぷりと水に溶かしてシマ桑茶を作り、その上にたっぷりのバニラアイスをトッピングしたシマ桑フロートはいかがですか?
島の郷土菓子「やちむち」にシマ桑粉末を混ぜたオリジナルスイーツもぜひご賞味ください。 -
町内の小中学校給食で月に一度、シマ桑を使ったオリジナルメニューを提供しています。
桑の葉の香りがふんわりと広がるシマ桑グリーンカレー(写真)のほか、アンダギーやふくれ菓子など、子どもたちにも好評です! -
沖永良部島の自然の色を活かして手作りする「えらぶ色クレヨン」は、お土産やプレゼントとして喜んでいただいています。
シマ桑青汁のフードロスを活用したシマ桑色クレヨンは、自然由来のやさしい色と香りに癒されますよ。